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現場で経験した失敗や悩みこそが、発展への大きな鍵。シェアード社員の働き方開発

複数の企業の情報システム部門でIT人材をタイムシェアする「シェアード社員」を展開するユナイトアンドグロウ株式会社。主体性のあるエンジニア人材を育成し、中堅・中小企業へのIT支援をおこなっています。

導入企業の増加や事業拡大に際し、「シェアード社員の働き方開発」をテーマに、現場で働くMitsukoさんとRinaさんにシェアード社員としての課題や解決策、今後について伺いました。

Mitsukoさん
1981年生まれ。高校卒業後、大手コールセンターに2年勤務。インバウンド、アウトバウンド、クレーム対応のすべてを経験した後、SVを務める。その後、旅行会社に4年勤務し、携帯ショップで半年程の勤務を経て、結婚。出産・育児休暇の取得後、復帰し、地元で総菜製造業を営む企業で事務員として5年勤務。会社の倒産を機に、ユナイトアンドグロウに転職。製造業、建設業の情報システム部門担当として、ヘルプデスクやネットワーク管理を担当。現在は会計・税務サービス業界と建設業界、介護業界の3社で稼働中。

Rinaさん
1991年生まれ。大学卒業後、ユナイトアンドグロウに入社。現在、新卒4年目。入社して最初の3年は、外資系商社に常駐し、主にヘルプデスクを担当。その後、数社で短期業務を経て、現在はエンタメ業界の企業に常駐し現場リーダーも担当している。

■はじめに

―今回は「シェアード社員の働き方開発」ということですが、まずシェアード社員について教えていただけますか。

Mitsuko:シェアード社員とは、弊社の基幹技術である「シェアード・エンジニアリング」を基に運営する「情報システム部門のタイムシェアサービス」のことです。ユナイトアンドグロウの正社員であるエンジニアがお客様の会社に訪問し、社内の情報システムに関わるすべての仕事を担い、人材のタイムシェアだけではなく、経験や知識、ノウハウ等のあらゆることをシェアして中堅・中小企業に対してIT支援をおこなっています。

―なるほど。一般的な派遣社員とシェアード社員の働き方に関して、異なる部分はどこですか?

Mitsuko:一番大きく異なるのは、シェアード社員の場合は正社員と同じ立場に立って、稼働する企業の成長や向上を目指し自発的で柔軟に仕事を進められるところですね。そもそも、情報システム部門の仕事について詳しい社員の方がいないということも多いので、自分たちで判断したり提案したりして、自発的に仕事を進めて行くことが多いです。

また、シェアード社員は全員が営業兼エンジニアで、顧客責任者でもあるんです。弊社には営業担当がおらず、企業との取引もシェアード社員本人が窓口となるので、業務やメンバーの管理もするし、料金交渉や業務の進め方に関してもそれぞれが行います。やはり現場にいる本人が、一番状況を分かっていますからね。

契約も派遣契約ではなく準委任契約という形をとっており、お客様に雇われる形ではないので、ビジネス上ではお客様とシェアード社員は対等な関係なんです。

―会社に常駐していると曖昧になってしまいがちですが、あくまでシェアード社員はユナイトアンドグロウの社員なんだ、ということですね。だからこそ、シェアード社員自身が交渉もするし、現場での作業もやっていく、と。

Mitsuko:料金自体はサービスの利用規程でしっかりと決まっているので、忙しいときやヘルプが欲しいときには人の空き状況も考えながら、現場にいるメンバーを中心にお客様と調整して、お客様から承認がもらえたら増員するという感じですね。

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■課題

―シェアード社員として働く上で、どのような課題感を感じていますか?

Mitsuko:シェアード社員をご利用いただくお客様に「シェアード社員は派遣社員とは違う」ということをご理解いただくことは課題のひとつだと考えています。

シェアード社員は基本的には現場先の社内システム担当者ですが、ときには営業担当のような動きをしたりと、経営や担当企業のことを考えて範囲にとらわれず、柔軟な働き方をします。しかし、それがゆえに「一般的な技術者と違う」「普通の営業と違う」といわれてしまうこともあるのです。そこは今後、多くの企業に導入していただく上でよりよい方法を模索していく必要があるなと感じています。

―なるほど。Rinaさんもシェアード社員として実際にお客様との交渉などもされているんですよね?

Rina:はい。私たちはスクラムという顧客単位のグループで動いており、1つの企業のみに所属する場合もありますが、複数のスクラムに同時に所属する人もいます。

お客様の所で正社員同様に働きながら、自分が関係しているグループ全体を数字なども考慮しながら、ユナイトアンドグロウの社員として俯瞰して見なくてはならないのは、シェアード社員として働く難しさでもあり、ユニークな点でもありますね。

私は現在、現場リーダーとして1社に常駐しながら、シェアード社員5名をまとめています。入社して最初の仕事も1社常駐だったんですけど、その頃は現場リーダーではなかったので深く考えずに働いていたのですが、今は他のメンバーのことも考えなくてはいけないので、難しいこともありますね。お客様の会社の社員と同様に働くイメージで仕事をしていても、自分の会社である、ユナイトアンドグロウとしての動きも忘れてはいけないというか。

―Mitsukoさんは現在どのように働いていらっしゃるのですか?

Mitsuko:現在は日によって異なるのですが、3つの企業で稼働をしていて、先輩に助けてもらうこともありますが、基本的には1人で稼働しています。ほぼIT未経験で入社しているので、最初のうちはわからないことがあったらユナイトアンドグロウの他の社員に聞いたり、インターネットで調べてやりくりしていました。

今は、限られた時間内で複数企業のご要望に答えたり、提案していかなくてはいけないので、タイムスケジュール管理が難しいですね。1社に常駐であれば「これは明日にしよう」というようなことでも、複数企業を担当している今は、後回しにすると次の訪問は1週間後、ということもあるので。

―Mitsukoさんはどのような課題感をもたれていますか

Mitsuko:私は、2年間常駐していた会社で、何でもかんでも引き受けすぎていたということがあって。悪いことではなかったんですが、頑張り過ぎたことで、その会社の社員の方々が私に頼りすぎてしまい、担当者が変わったときに、対応の差が大きく出てしまったんです。

さらに、そのときの私の後任がまだ入社1年目で、経験も年齢も違ったので、先方から「Mitsukoさんと全然違う」というクレームがあって。結局、後任の担当者は交代することになってしまいました……。「私がもっと見ていれば」と謝ったんですが、お客様からは「誰が悪いという問題ではなく、これは会社と会社の話だから」といわれてしまったんです。

そのとき、「私はそこの社員になりきってしまって、ユナイトアンドグロウの社員であることを忘れていた」と気付いたんです。そこで、担当企業のことを考えつつ、ユナイトアンドグロウ社員としての責任も担っているというシェアード社員として働く上での役割を、今一度見直して、同じようなことが起きないようにしなければいけないと考えました。

Rina:私も似たような課題をもっています。シェアード社員には「社員よりも社員らしく」というモットーがあって、そこの企業の一社員のような気持ちで仕事をしています。でも、ユナイトアンドグロウの社員でもあるということを、社員にもお客様にももっと理解してもらう必要があると思っているんです。

目の前の業務に集中していると「社員みたいだね」といわれる一方で、現場以外の話になると急に“取引”という感覚になるんですよ。業務だけでなく、料金設定やリソースなどの企業間の話に関しても、シェアード社員自身が話を進めるということを、しっかり企業側に理解してもらわなければ、シェアード社員がスムーズに働くことができなくなってしまうんです。

―Rinaさんがシェアード社員として現場リーダーを担う上で、課題や悩みなどはありましたか?

Rina:ありました。リーダーとして他のシェアード社員をまとめるようになってからは、お客様の会社での立場と、ユナイトアンドグロウ社員としての立場のバランスをとることが課題でしたね。

以前、アサインしたメンバーがうまく現場で機能しなかったことがあったんです。会社としては手を挙げたシェアード社員には成長機会を与えたいと考えているのですが、リーダーとしてお客様側の視点で考えたら、このまま稼働を継続することは得策ではないのではないかと迷うこともありました。

私はお客様社内でのシェアード社員を束ねるリーダーとして、お客様側・ユナイトアンドグロウ側の両面からメンバーの適材適所を見極めてお客様に満足してもらう価値提供方法を追求していく必要があると考えています。適材適所の意思決定は明確な正解があるわけではないため、難しさもありますが、他のシェアード社員が働く現場でも、同じような事象は起こると思うので、私の経験をひとつの参考にできればなと感じた一件でしたね。

■解決策と対策

―なるほど。リーダーの立場としての課題に対して、Rinaさんはどのような解決策を出されたのでしょうか?

Rina:最終的には「人を大切にしていこう」という考えに至りました。最初のうちは、普段からいかに社員らしくできるかを考えて、お客様の会社の社員になりきりながら、ユナイトアンドグロウのことも考えた完璧な動きをしていかなくてはと思いつめていたんです。

でも、もっとシンプルに考えていいということに気付きました。お客様の企業や、同じ現場にいるシェアード社員、みんなが不幸にならない形、みんながハッピーになる形を目指して行けばいいんだと思い至ったんです。

そして、お世話になっていた現場のリーダーや、他の現場の社員にも相談をして、「人を大切にする」ということが1番いいんじゃないかという結論になりました。

―どのようなことを相談したんですか?

Rina:具体的な動き方や考え方を聞きました。それに対して、「お客様のことだけを考えるのではなくて、個々を大切にしていくことが、後々スムーズな人間関係に繋がるよ」というアドバイスをいただいたんです。つまり、「人間関係が1番大切だよ」ということですね。

それまでの私はリーダーとして、アサインしたメンバーがお客様や案件に合わないと判断したら、上手くいかないことに対して時間をかけることは、双方にとって良くないと思っていました。だから、スパッと決断して、別の社員をアサインした方が良いと考えていたんです。でも、その考え方ではリーダーにはなれないといわれて。

そこで、どちらかに極端に偏りすぎて考えないようにして、「人を大切にする」ということにフォーカスしていけば、自ずと適材適所が見えてくるということがわかってきたんです。どちらに偏ることもなく、悩み過ぎないでバランスをとるのがうまくやるためのコツだと気付きましたね。

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―どちらの立場もわかるからこそ、立場ではなく人にフォーカスしたということですね。Mitsukoさんはいかがですか?

Mitsuko:引き継ぎの一件で、自分が全部引き受けてしまうのではなくて、IT担当者でなくてもできるようなことをマニュアル化して、社内の方々にもやってもらえる体制を作っておけば良かったんだと思いました。次の人に引き継ぎやすい環境をつくって、もう少しうまくやっていれば、クレームも発生しなかったと思うんです。

今、担当している案件でも、やり過ぎてしまう部分があって。頼られると、どうにかしてそれに応えたいという気持ちがあるので、ルールを気にせずに対応してしまうこともあるんですが、そういうことをしてしまうと、後任者が決められたルールに沿って断った場合に「前任者は引き受けてくれた」といわれて、やりづらくなってしまうんですよね。このままでは自分も引き継ぎにくくなるし、現場から抜けることができなくなるので、シェアード社員として、自分が抜けることも想定して取り組むことが求められるということを学びました。

―なるほど。会社対会社としてビジネスをしているということを忘れてはいけないということですね。

Mitsuko:そうですね。お客様はほぼ全てが中小企業だからこそ、整っていない環境でいろいろな変化があって、それに対応していかなくてはならない難しさがあります。それを理解しつつ、解決し過ぎてはいけないという感覚ですね。お客様から「この人がいれば大丈夫」といわれてしまうような属人化は避けなければならないと思うんです。そういった部分をお客様と真剣に話し合って、お互いの成長にもつなげられるようなビジネスにしていきたいなと考えています。

■今後のシェアード社員の働き方について

―大きなテーマである「シェアード社員の働き方開発」というところで、今後の動きや取り組みなどはありますか?

Rina:今までユナイトアンドグロウでは、社内の役職や肩書きみたいなものがほとんどなかったんです。人数が少なかったからということもありますが、リーダーやサブリーダーといった役割はあっても、社内に明確なものがなくて。これから社員も増え、事業が拡大していくなかで、そういった組織としての役職も必要なのではないかと考え、管理職を設け、組織を強化していこうという動きがあります。

役職は固定ではなくていつでもローテーションできるようにしています。そのように会社から平等に成長機会を与え、社内での経験や学びをクライアント先でも活かしていけるようにしていこうと考えています。

―なるほど。「シェアード社員の組織化」ということですね。

Mitsuko:シェアード社員として新卒入社した社員は、一般的な企業が持つピラミッド型組織の経験が少ないんです。規模の大きいお客様も増えてきたので、そういったお客様にもしっかり対応できるように、シェアード社員の組織経験値を底上げしていきたいと考えています。

また、1つの企業で知識や経験を得るのではなく、社員同士のつながりも強化して、リアルタイムでシェアード社員同士のノウハウが共有できるようにしたいですね。様々な企業で働くシェアード社員を集めて、情報交換をしたり助け合ったりすることは、後に大きな財産になるはずなので、そういった“シェア”も更に進めていきたいと思っています。

今後もお客様への価値提供をしっかりと実現しつつ、シェアード社員がより成長できる仕組みを作っていけたらいいですね。

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