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『人にプラスの影響を与えること』が人生のテーマ。食を通じて人を幸せにしたい―― 執行役員となった今、若手の子が“目指したい存在”となるために、ライフワークバランスも大切。

向山 幸代さん 30代 人材開発室 室長
株式会社ダイヤモンドダイニング


新卒で大手外食企業に人事として就職。3年半従事する。その後、ベンチャー外食企業に転職。人事総務部人財開発チームマネージャー、営業本部営業推進部マネージャー、立地開発マネージャー等を兼任する。2011年11月、現職である株式会社ダイヤモンドダイニングに入社。採用共育チーム課長として従事。2014年9月に、同社の執行役員となる。

確実に、人に大きな影響を与える“食”。新卒では何年後かに独立を見据えて就職。

―はじめまして。本日はどうぞよろしくお願い致します。御社で初の女性執行役員となる向山さんに、インタビューをさせていただくことができて光栄です。それでは、向山さんの今に至るまでのご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。

向山:はい。大学の就職活動時に、『人にプラスの影響を与えること』という軸で就職先を探しておりました。その中で、“食”というのは人々にとって欠かせなく、大切なものだと考えていました。その”食”をできるだけエンドユーザーの近くで届けたいと考え新卒では、大手外食企業に就職することを決意。私が入社するタイミングで、人事にたまたま一人欠員が出たということがあり、急遽私が人事に配属になったのです。そして3年半仕事をして、2社目は同じ飲食業界に入り、そこでは社長のもとで、朝から晩まで働いていました。その後ダイヤモンドダイニングに入社し、現在に至ります。

安定志向の自分が実力主義の世界へ飛び込んだのは、『ロールモデルになる』と考えたことがきっかけだった。

―ずっと飲食業界にいらっしゃるのですね! 今の会社で3社目だと思いますが、どういうお考えでキャリアを形成してこられたのですか?

向山:1社目の会社では、人事として約600店舗分のアルバイト採用を1人で管理するという業務をおこなっていました。社会人1年目にしてみれば、非常に責任のある仕事を任せてもらっていたと思っています。職場の雰囲気も温かかったですし、仕事もそれなりに任せてもらっていました。そして、新卒で入社した女性社員の私のことを、周りが守ってくれているような感覚があり、安定感を持って働き、プライベートも充実させながら、長く働けるような感覚で仕事をしていました。

そんな私がある日、ビジネス雑誌の企画で[女性のキャリアについて考える]というセミナーに参加することになったのです。その際の講師の方に言われた一言が大きな転機となり、“キャリアを変える”という決断をすることができました。それは、「今後、女性が社会で活躍していく中で、自分自身がロールモデルとなり、会社や社会を引っ張っていく必要があるのです」というお話でした。この話を聞いた時に「今のままでは駄目だ。もっと裁量のある仕事で、自分がロールモデルとなり、周りを引っ張っていく存在になりたい」と思ったため、その想いが叶えられる会社に転職をしたんです。要するに、実力主義の環境に身を置く決意をしたわけです。

実力主義の社会の厳しさを痛感した出来事は、上司のひょんな依頼。

―実力主義の環境に自ら飛び込むということは、非常に勇気のいることですね! 実際、2社目の会社にご入社されて、何か変化はありましたか?

向山:2社目でも同じように人事として入社をしました。私が入社した時、会社がちょうど拡大期に差し掛かる時期で、非常に多くの人数を採用していました。そして、入社時に希望していた通り、『実力主義』の世界がそこにはありました。

私が一番最初に『実力主義』の厳しさを痛感させられたのは、忙しい上司がある日、「電話当番をするように」と、私に何気なく指示を出された時のことでした。「どの部署がどちらの企業とお取引きしているのかを、電話応対しながらわかるようにしておいてね」という上司からの話に対して、私は言われた通りに電話を取り、対応をしていたのです。そしてその後、上司とランチをご一緒した時に、先ほど私に任せた業務の報告をするようにと言われました。

その時の私の返答を聞いた上司から、「うちの会社がどういう理想を持っていて、現在はどんな状況なのか。理想と現実のギャップを埋めるために、うちの部(人材開発室が)は何をすればいいのか、ということまで考えていなかったの?」と言われた時に、ハッとさせられましたね。なぜなら私は、上司に言われたことしかやっておらず、そんなところまで考えて仕事をしていなかったからです。その時に初めて「実力主義の世界では、言われたことをやるだけでは駄目で、その先を見据えて仕事をする必要があるんだ」と気づかされました。

社長直下のポジションで鍛えられた経営観点。数値で報告することを徹底した日々。

――それは不意打ちでしたね(笑)。確かに、自分の頭でいろいろ考えることはすごく大切ですよね。その後、どういった生活をされていたんですか?

向山:たまたま私の上司が退職となり、その上司のポジションを私が引き継ぐことになったのです。そんなひょんなことから経営者に近いところで仕事をすることになり、半分社長室のような人財開発室で、経営者意識を叩き込まれる毎日を過ごしていました。
たとえば、毎日の報告に関しても”本日の仕事でどれだけ事業を前に進めることができたか”を数値で表現しなさいと言われていたのです。もし数値で表現できないのなら、それはやったうちに入らないということも言われていましたね。そういった環境で仕事をするうちに、日々の行動も変わりましたし、経営者観点や意識が確実に身に付いた時期であったと思います。

インタビュー

常に毅然と明るくふるまうことは、先導者には必要なこと。

―お話を伺っていると非常に大変そうですが、経営者の近くでそういった経営者の観点を学ばれたことは、非常に貴重な経験ですよね。

向山:本当にそうですね。また、もう1つマネジメントをやっていた私にはすごく勉強になったことがあります。それは、その会社で毎週行われていた幹部開発会議で鍛えられた能力でした。部署ごとに毎回企画を出さなくてはいけないというルールがあり、「明らかにこれは会社が前進するために必要だよね」という企画内容がないと、その部署はすぐに解散させられるという究極の会議でした。平日は日々の業務もありますし、部下の育成もあるため、そのため開発会議の企画内容は土日を使って考える、という生活を送っていました。

そんな状況下でも、常に毅然とふるまいながら笑顔でいることは、徹底して実践していました。トップが常に楽しく仕事をしていると、それが部下にも伝わると考えていたからです。それは今もすごく役立っていることですね。

―学ぶことが非常に多い職場だったんですね。しかしこの後、職場を変えられていらっしゃいますが、その理由はどういったものだったのですか?