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二児の母でありながら、最前線で働き、活躍し続ける女性のロールモデルになる

中山 祥子さん 30代 インベスター・リレーションズ統括マネジャー
J-STAR株式会社

会社を経営する父を持つ。会社を成長させていく父の姿を見ながら育ったため、将来は「日本の中小企業の成長を支援したい」と考えるようになる。2008年、新卒でリーマン・ブラザーズ証券会社に入社。その3ヶ月後にリーマンショックが起こり、入社3ヶ月で職を失うが、その後大手日系証券会社に転籍。M&Aのアドバイザリー業務を担当する。のちに株式部門に異動。夫の海外転勤を機に仕事を辞め、シンガポールで専業主婦となる。第一子を出産後、現在の会社(J-STAR株式会社)に就職。現在は二児の母でもある。

できないと思いつつ、海外で1年半専業主婦を経験

-ご自身のBusiness(お仕事)でのターニングポイントはなんですか?

中山:専業主婦になり、出産も経験したことですね。その前までは、朝9時に出勤して、帰宅は翌朝…というような生活をしていました。24時に仕事が終わった日は嬉しくて飲みに行きたくなっちゃうほど、だいぶ破天荒な仕事生活を送っていました。体力的に辛い時もありましたが、それでも辞めようとは思っていませんでしたし、私が専業主婦になるなんて絶対に向いていないと思っていました。ところが、夫の海外駐在が決まり、夫についていくことになった私は、一度仕事を辞め、専業主婦となりました。今までの私で考えたら、自分が専業主婦を選択するなんて想像もできませんでした。ただ、「やってみないとわからない。それであれば一度やってみよう。」というような性格なので、とりあえずは専業主婦になってみることにしたのです。

そして約1年半、海外で専業主婦をしていたのですが、やはり自分には合わないと思いました(笑)。夫は、「俺はおまえを養っているのだ」と偉そうにふるまうような人ではありませんでしたが、何か買い物をする時も、私自身が勝手に「申し訳ない」と感じてしまったのです。また、同じ駐在中の奥様たちの文化にも馴染めずにいました。例えば、初対面の紹介では、「こちら、~~さんです。ご主人は、○○会社に勤務してらっしゃいます。」と、なぜかセットで夫の勤め先を紹介されることが多くあり、これにはとても違和感を覚えました。過剰かと思いますが、『自分が自分として見られていない』と感じていました。そのような経験を踏まえて、やっぱり自分は働き続けていきたい! と思い、一人目の子どもが生まれた3ヶ月後には就職活動を始めたのです。

また出産は、私にとって非常に大きな変化をもたらしたきっかけでした。私の場合は、一度専業主婦になってからの再就職ということもあり、改めて「自分はどういう働き方をしたいのか」、「職場にどういうものを求めているのか」、「どういう状態になっていたいのか」ということを考えるきっかけになりました。
また再就職する時に、『働く』ということについて、どこに優先順位を置くか、ということを考えました。学生の頃は、まずは人気がある大手企業に、という短絡的な考えて就職活動をしていましたが、出産し母となってからは、長期的なキャリア形成のためにベストな選択ができるよう、様々な視点から就職活動をおこないました。それは、母として当たり前の観点かもしれませんが、私にとっては凄く大きな変化だと思います。
今は定時の17時半か、遅くとも18時半には会社を退勤。時期にもよりますが、家に仕事を持ち帰ることもあります。そのような具合で、子育てと仕事を両立させています。

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※家に持ち帰って仕事をする時は、キッチンの横にデュアルスクリーンのパソコンを整備。子どもの様子を見ながら仕事をすることができます。

娘が誇りに思えるような母でありたい。

-今後のご自身のキャリアプランについて教えてください?

中山:私は同社に入社する前から、子どもはまだ数名欲しいと思っており、その旨も会社に伝えてあります。子どもは授かりものではありますが、自分の年齢を考えた時、いつならタイミングがいいか考えたりもします。また、これからもキャリアを積んでいく中で、どのタイミングに妊娠・出産を組み込むことができるかも考えたりしますね。

また、仕事し続ける理由として、『社会にインパクトを与えたい』という考えがあります。娘が二人もいますので、将来娘たちにも自立して欲しいと思いますし、私の仕事に対する姿勢や頑張っている姿を、親として見せなければとも思っています。

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家庭と仕事以外の自分の場所を持つことは大切

-ご自身のキャリア形成のためにやっていることはありますか?

中山:『家庭』と『仕事』以外の『もう1つの場所』を作るようにしています。私は現在、東京青年会議所に参加しており、また自治体の協議会で区民委員を務めています。なぜこういう場を大切にしているかというと、ここで出会う方々の中には経営者や教育関係の方、また自治体の方等、仕事と家庭の往復ではなかなか出会うことができない面白い方ばかりなので、とても刺激を受けることができるのです。
また、今の自分があるのは、これまでまわりの方々がサポートしてくださったからこそであり、今は地域の活性化のためにも、自分が貢献できることを探していきたいと考えています。

女性の活躍を促すきっかけ作りは、自分がロールモデルになること。

-Business(お仕事)とLife(私生活)の比重はどれくらいかと、その理由についてお聞かせください。

中山:これは非常に難しいですね。私はあくまで、ライフの上にビジネスが成り立っていると思っています。ただ時間で考えると、やはり仕事の方が比重は大きくなりがちです。
働いていることそのものが“ライフワーク”なので、そこの境界線はないですね。私自身、啓蒙活動が盛んだった女子校出身のため、その影響は受けているのかもしれませんが、社会人になる前は、女性と男性に何かしらの差があるなんて、全く思っていなかったのです。しかし実際に家庭を持った時、女性に家事や育児の比重が大きくなってしまうということは、紛れもない事実です。これは社会の構造上の問題だと思っています。

ですので、二児の母をしながらでも仕事でしっかり成果を上げることで、『子どもがいてもしっかり仕事で活躍できるよね』と、世の中の人に思ってもらいたいと考えています。私の好きな言葉で、ガンジーの”Be the change you want to see in the world (あなたがこの世でみたいと願う変化に、あなた自身がなりなさい。)”という言葉があります。私自身がそのロールモデルとなり、『子供が複数人いる女性でも、働くことを諦めることなく、キャリアを積んでいくことができる』ということを世の中に示していければと思っています。そんな想いを胸に、少しでも世の中を変えられるように、日々仕事と向き合っていますよ。

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“左手マウス”と“ルーティン業務を手元に置かないこと”が定時に上がれるコツです。

-お仕事のコツ・技はありますか?

中山:2つあります。1つ目は、“ルーティン業務”と“考える業務”をしっかり分けてタスクとしています。ルーティング業務に関しては、なるべく早く片づけるということを心がけています。例えば、提出期限まで1週間ある書類も、ギリギリになってから着手するのではなく、その日のうちに処理をしてしまう。ルーティン業務はなるべく自分の手元に置かない、ということを意識しているのです。ですので、“ルーティンの仕事が回ってきたらすぐ返す”ということは習慣になっていますね。

2つ目は、仕事のテクニックという面での話ですが、パソコンのマウスは左手で操作するようにしています。これは、右脳を動かすことにも繋がりますし、テンキーを含めてキーボードの作業は圧倒的に右手を駆使しますので作業効率が上がります。マウスの持ち手を左に変える時は、クリックの設定も変更するようにしてみてくださいね。

隙間時間を有効活用! ヨガ・ランニング・有給で、ON/OFFメリハリ!

-仕事で落ち込んだ時、悩んでいる時にやっていることは?

中山:3つあります。1つ目は、隙間時間を使ってヨガをおこなうこと。マットとポータブルDVDプレイヤーを会社に置いており、お昼休みの1時間をヨガの時間に充てています。40分間はヨガをして、残りの20分で昼食を食べる。そうすることで時間も有効活用できますし、非常にリフレッシュできますよ。

2つ目は、オフィスから自宅までの間、ランニングをしながら帰ることです。オフィスから自宅まで5キロ弱の距離なので、帰りはランニングシューズとウェアに着替えて走って帰ります。仕事は体力勝負なので、運動は必須ですね。「忙しいからできない」、「疲れたから駄目だ」なんて思っていると逆に“疲れが疲れを呼ぶ”ので、体力づくりに充てる時間をできるだけ確保することが大切です。独身の頃は、少なくとも週2~3日はジムに通って汗を流していましたが、今はジムに通う時間がなかなか取れないので、隙間時間に体力トレーニングをしています。

3つ目は、意識的に有給を取ることです。毎月1回程度、半休または全日の有給休暇をとらせて頂いています。子どもがまだ小さいので、大型連休をとって海外旅行をするのは大変ですから、その分毎月休暇を取らせてもらい、気分転換をしています。

「苦労は買ってでもせよ」というのは、本当ですね。

-20代の方に向けて、『20代のうちに経験しておくべきこと』を教えて下さい。

中山:“たくさん挑戦し、たくさん失敗すること”だと思います。20代のうちの失敗は、その後いくらでも挽回できると思うので、大いに挑戦し、失敗したほうがいいです。たくさんの失敗を経験することで、何か問題が起きてしまった時も、常に軌道修正をかけることができるような、柔軟な人になれると思います。またそれと同じような意味合いで、つらい思いもたくさんすることが大切だと思います。

人生は、思ってもみなかったことの連続です。自分が予定していた道とは違う道を歩まなくてはいけなくなった時に、「どうしよう。この先はもうない…」と諦めてしまっては勿体無いです。失敗や経験をたくさん積んでおけば、危機的事態と思えるような状況に陥った時にも、巻き返しを図る力がついてきます。そんな前向きなスタンスは、男女問わず、凄く大切だと思います。

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制度より実を重視しています。話し合いで解決できることもあります。

-働くママさんや、これからママさんになる方に対して、働き方についてアドバイスをお願いします。

中山:制度より実を重視し、自身の考えや思いを率直に伝えることが大切だと思います。大手企業にいた時は、制度は非常に整っていましたが、実際にその制度を使って働き続けている女性が、ほとんどいませんでした。一方で中小企業は、制度自体は大手企業と比べると劣っているところもあります。しかし、自分の状況や希望を伝えた上で、自身も会社もフレキシブルに対応することができるというところは、非常に魅力的だと思います。
そして、自分が長く働きたいと考えた時に、『どうすれば働き続けられるのか』、『働き続けられる企業はどういうところなのか』ということを、改めて考えることが大切だと思います。