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「どんな状況でもゴールまでの過程を楽しむ!」無名の新サービスを、大企業から引く手数多のサービスにまで成長させたセールスマネージャー

高嵜 文菜さん 20代 営業マネージャー
株式会社Showcase Gig

1989年生まれ。大学卒業後、2011年SNSをメイン事業として展開しているネットサービス企業に入社し、タイアップ広告企画・営業に従事。その後、2013年8月に株式会社Showcase Gigに入社し、現在は「O:der」事業部の営業マネージャーを務める。

新卒では大手インターネット企業に入社した高嵜さんは、2社目でわずか数人のスタートアップにチャレンジ。ターニングポイントは営業として非常に高い目標をやり切ったとき。そのおかげで社長やメンバーからの信頼を得たと言います。成果を出し信頼を勝ち得た上で仕事をしていくことの重要性に気付かれた高嵜さん。そんな彼女のキャリアストーリーを伺いました。

“全く考えていなかった”WEB業界へ。きっかけは……

ー新卒で入社するまでの経緯について教えてください

高嵜:新卒では、SNSサービスをメイン事業としている会社に入社しました。就職活動の軸は2つあり、ひとつは東京で働くこと。当時、3年後にはこうなりたいとか、そういうかっこいいキャリアプランはなかったのですが、働く母親を見て育ったので「バリバリ働く女性」になりたいという気持ちは昔からありました。そこで、田舎育ちの私は東京に憧れもあり、”バリバリ働く”なら東京!と決めていたんです(笑)。

もうひとつは、消費者との距離が近いサービスや商品に携わること。自分が仕掛けたことで多くの消費者が動くような仕事をしたいと考えていました。例えば、食品メーカーで自分が商品開発をした商品がスーパーに並んで、お客さんが手に取るところを見たりすることができたらおもしろいなと。最終的にはSNSサービス運営会社に入社することになりますが、大学時代はWEB業界で働くことは全く考えていなかったんですよ。

SNSサービス運営会社に入社したきっかけは、そのサービスを1ユーザーとして使っていたからです。そこで、たまたまSNSで自社のインターン生募集の広告を見つけたんです。インターン自体は1週間のワークショップ形式のもので、興味本位で参加してみることに。そのインターンの内容が、新しいサービスを企画するというものだったのですが、それがすごく楽しかったんですよ。それから、WEB業界もありだなと思うようになりました。

私自身、SNSサービスの1ユーザーでもあったので消費者とサービスの近さを感じたこと、また、WEB業界なら東京で一生バリバリ働けると思ったんです。この2つがマッチしたので、その会社を志望して入社することになりました。

ー働き始めてからのことについて教えてください。

高嵜: 2ヶ月の新人研修を受け、希望していた広告部門の営業へ配属されることになりました。

その部署では、大手企業に販促プロモーションのアプリを作る提案などをしていました。実は大学時代によく使っていたアプリがあるんですが、ちょうどそのアプリは配属された部署と大手クライアントがタイアップで作ったものだったんです。企画から制作まで一貫してその部署で行われたものでした。当時の私は、販促プロモーション目的で開発されたとは全然知らずに楽しくアプリを満喫していたんですね(笑)。企業のプロモーション目的だとしても、ユーザーはそれに気づかず楽しんで利用する。それってすごく良いなあと思ったんですよね。アプリの他にもSNSから商品を買ってもらうためのプロモーション提案などを行っていて、大手クライアント向けに、季節に合わせたイベントの企画や提案も担当していました。

ただ、実はその部署では新卒の受け入れを予定していなかったそうなんです。私が希望したこともあり、人事の方が掛け合ってくれたおかげで配属が決まったということでした。そんな背景もあって、新卒は私ひとりだけ。定型の教育体制やフローはなかったので、配属されて早々に、上長から「どの案件を担当したい?」と聞かれて「これがいいです」と答えたら、そのまま大手コンビニチェーンの担当に。

その後すぐにクライアントとの打ち合わせに参加。1ヶ月間で40万人を店舗に送客するというキャンペーンだったんですが、いつの間にか企画やシステムの話が繰り広げられる現場に放り込まれていました(笑)。

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振り返ると「茨の道」だった、新卒時代

ーそれは、最初からハードな状況ですね

高嵜:そうですね。それに、企画営業といっても、企画や提案だけすればいいわけではなく、例えば、イベントサイトにユーザーのアクセスが集中しすぎた場合、サーバーがダウンする可能性があります。もし、ダウンしてしまったらユーザーからの問い合わせが殺到するし、クライアントにも迷惑をかけることになるので、そのシステムの管理もしていました。企画の中身ももちろん重要なんですが、それ以上にイベント自体を成立させることが最優先なんです。

印象に残っているのが、イベントでシステムの不具合があって、1週間に2万件もの問い合わせが来たことです。その時は「WEBって怖いな」と感じましたね。実際に問い合わせに返信するのはカスタマーサポートのメンバーなのですが、対応の方針については私がリードして決めていました。

しっかりとシステムを作ってユーザーに届けないと大変なことになる、ということを学んだ経験でしたね。それからはサービスの仕組みについてもきちんと理解するようにして、提案の時にシステムの話までできるようにしていました。

ー本当に多岐に渡るんですね。お話を聞いて、忙しい環境だなと感じたのですが、その状況を高嵜さんはどのように感じていましたか

高嵜:今思うと、茨の道だったのかもしれません。でも、新卒だったので「普通」の基準がなくて、そんなことはわからなかったんです(笑)。だから、とにかくやるしかないと思って、ただ必死でがむしゃらにやっていました。この状況を経験できたからこそ、すごく力がついた実感がありますね。

「思い通りにいかないこと」が、予想外の幸運につながるかも

ーいろんな経験をされる中で、他にも印象的だったことはありますか。

高嵜:クリスマスイベントの企画でも色々と印象深いことがありました。300万人規模のとても大きなイベントで、予算も他のイベントとはケタ違い。毎年協賛してもらっている企業に、今年の企画を紹介して、その後要望を聞いて何度も練り直して再提案したのですが、その時に言われたのが「ゼロ点!」。この1週間の頑張りをゼロ点と言われたんですよ!「要望を受けて作ったのに」と社会の理不尽さを感じた瞬間でした(笑)

ーゼロ点は落ち込みますね。

高嵜:悔しい気持ちはありましたが、実は落ち込みはしなかったんです。私、駄目だったことに興味がないんですよね。ゴールに向かってどんな道筋で行こうかと、道中を楽しむ性格なので、「ゼロ点!」と言われた時も「ゼロ点からゴールに向かうシナリオは…」と頭の中ですぐに切り換えていました。

ーその発想の転換はすばらしいですね!いつからそういう考え方されるようになったんですか。

高嵜:きっかけは学生時代にありました。高校生の時は東大に行きたくてすごく勉強していたんですが、その頃の私はまだ「失敗」した経験がなかったんですよ。それが、高2の冬に成績が突然伸び悩んでしまいました。

伸び悩む中、必死に勉強をしていた時です。私が机で勉強をしていて、教室の入り口で仲良しの友達2人が話していました。「カラオケいこう!」「タカ(私)も誘う?」「絶対いかないでしょ」という感じの会話です。

その時に自分のなかで「おかしい!」と思ったんですよ。やりたいことを我慢してまで自分が何のために勉強しているのか、わからなくなったんです。それで「勉強やーめた!」となりました(笑)。私はそれまで諦めるということを知らなかったんです。受験までまだ時間もあったので、そこで諦める必要はなかったのですが、それが私の「はじめて諦めた瞬間」になりました。そして、地元の大学に行くことにしたんです。

前向きな「諦め」から始まった大学生活では、今でも関係が続いている親友ができました。かけがえのない親友を得ることができたのは、あの時に諦めたおかげかもしれない。そういうふうに発想の転換をしたら、自分の考えに固執しすぎず柔軟な視点を持つことで、予想していなかった良いことも起こるんだと思えるようになったんです。それからですね、自分の思惑通りに事が進まなくても、過程を楽しみながら進めるようになったのは。

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5倍の目標設定をクリアし、こみ上げた達成感と安堵感。
涙で勝ち得た信頼

ー学生時代に「前向きに諦める」経験をしたことが結果的に良かったんですね。話は変わりますが、その後、今の会社で働く決断をした経緯について教えてください。

高嵜:入社して4年経って会社も大きく変わっていきました。売上の厳しい状況が続く過渡期を迎えたんです。そして、大きな組織変更があって、私のいる事業部を別会社にするという話が持ち上がりました。

その変化がひとつの区切りとなって、自分のキャリアを考えるきっかけになったんです。その時、以前の上司だった人に相談したのですが、それが当時すでに独立してShowcase Gigを立ち上げていた代表の新田でした。そして、相談した時に新田に誘ってもらって入社を決めたんです。「自分でコントロールできない変化」が起こる大きな組織よりも、社員数4名という小さな組織であるShowcase Gigに魅力を感じたんです。

ー現職で働き始めてからについて教えてください。

高嵜:飲食店向けの事前注文・決済サービス「O:der」の営業をしています。今でこそ注目されるようになってきましたが、3年前はモバイルで注文や決済をするという概念は一般的ではありませんでした。飲食店のオーナーに電話で話してもなかなか理解してもらえなくて、アポがとれなかったんです。それで、直接行った方が早いと思って飛び込み営業をしていました。他のメンバーからは、飛び込みではなく電話やメールでいいと言われていましたが、私はテレアポがあまり好きではなかったですし、メールが返ってきたとしても返信率は数%。それがどうにも非効率に感じて。私は人と直接コミュニケーションする方が性に合っていたので、店舗を回ってお店の方と直接話して、「O:der」の提案をしていました。

ー営業活動は順調に進んだのですか?

高嵜:当時はまだ「大きく伸びていた」とは言えない状況でした。そんな状況を打開して成長するため、社長と話をする中で月間の営業目標をそれまでの5倍に設定したんです。

ーそれまでの5倍ですか。

高嵜:せっかく有益なサービスなんだから何とかしたいという思いが強かったので、自分でも無茶な目標だとは思ったのですが、結局社長に宣言してしまいました。5倍なんてこれまでと同じことをやっていても絶対に達成できない目標です。だから「何がなんでも達成してみせる!」と強く自分に言い聞かせて、翌日からは終日出っぱなしで営業をすることにしました。

4名という小さい組織で、営業担当は私だけ。一人ひとりに任される責任が大きい中で、私としては、営業として結果を出して早く信頼を得たかったんです。だから、時間の許す限り1店舗でも多く回ろうと必死で営業をしていました。

すると駆け回ったことが功を奏して、月末最終営業日に5倍の目標を達成することができたんです!「終わった!」という達成感と安堵感で涙がこみ上げて、大泣きしました(笑)。その日はすぐに涙を抑えられず、電車ではなく歩いて帰ったことも今となってはいい思い出ですね。また、この1ヶ月の取り組みのおかげで社内での信頼を勝ち取ることができ、それと同時に店舗についての知識も一気に得ることができました。私にとって、とても大きな転機になりました。

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自分が育てたからこそ
サービスと会社の行く末を見届けたい

ー今、振り返ってみても重要な転機になった1ヶ月だったのですね。その後について教えてください。

高嵜:着実にサービス利用店舗を増やしてはいたものの、研究開発期が続いており、水面下で必死にもがいていた期間が3年ほど続きました。その間に営業メンバーも増えましたが、専任は私ともうひとりだけ。この時期は「O:der」以外にもアプリの企画・制作をする受託開発の案件も合わせて担当していました。

ーサービスが伸びきらない3年間を、高嵜さんはどのような気持ちで働かれていたんですか。

高嵜:私はゴールまでの過程が好きなので、その3年間についても楽しんでいました。会社を最初から知っていることもあり、大きくなったとしても、ダメになったとしても、とにかくこのサービスと会社を最後まで見届けたいという気持ちが強かったんです。これからも最後まで見ていきたいですね。

飛び込みで売っていたサービスが、大手企業から問い合わせがくるように

ー水面下での3年を経て、その後、変化はありましたか。

高嵜:最近はマーケットから注目されている感覚があります。昔は店舗にアポなしで飛び込んでは、怒られるようなこともありましたが、今では大企業から「O:der」について問い合わせが来るんですよ。営業し始めた頃を思い出すととても感慨深いですし、嬉しくなって、ついにやけちゃってます。

昨年くらいからは、有名コーヒーチェーンやファストフードなど、様々な大手企業から問い合わせをいただくようになりました。当初から、マーケットに浸透するまで3年くらいはかかるだろうと話してはいたのですが、まさにその通りだったんですね。

また、今年に入ってPOSレジ市場でトップシェアを占める企業との商談が進み、その企業のPOSレジと「O:der」が連携した製品の販売を開始しました。お店の売り上げ管理をするPOSシステムとの連携は、飲食店のオーナーからリクエストされることが多かったんです。POSレジで一元管理できるので、「O:der」を導入しやすくなるという大きなメリットになります。

実はPOSシステムと連動する企画は、ずいぶん前から検討していたのですが、すぐに実現するのは難しくてなかなか進められなかったんです。それが、標準連携したいとPOSレジ業界の最大手企業から連絡があり、やっと実現できました。

今後は全国のPOSレジを導入している店舗に向けて「O:der」の営業も行っていく予定です。地道に飛び込み営業していた頃から、ついに全国展開も見据えることができるようになりました。出張や旅行で行った地方で、「O:der」を使える日が早く来ないかなと期待しています。

ーこれからが楽しみですね!

高嵜:そうなんです。今年に入って組織が大きくなり、私もマネージャーになりました。営業も1人よりチームで進めていく方が得られる果実が大きいはずです。もっと多くの企業への「O:der」の導入を加速させていきたいですね。

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人がうらやむキャリアや肩書きよりも、自分が好きでいられる自分に

ー高嵜さんの今後の展望を教えてください

高嵜:私、キャリアとか肩書にあまり興味がないんですよね。それよりも、有名な企業、大企業に提案して「O:der」や提案したアプリを全国の人が使ってくれることの方がすごく面白いと感じるんです。自分が手掛けたサービスを多くのユーザーに使ってもらえたら、すごく嬉しいですよね。これは、地方から上京してきたことも影響しているかもしれませんね。「O:der」も有名企業に導入してもらって、自分の友達が使ってくれるまで広がってくれたらすごく面白いなと。

だから、「今後こういうキャリアを歩んでいきたい」というよりも、その時々で自分が自分のことを良いと思えることが大事。バリバリ働いて、やりたいことができれば、それでいいんです。あとは毎日を生き生きと過ごすこと。それができれば最高ですね。

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